2003年4月13日
我が家で過ごす最後の夜、ロス子ちゃんは遊んでぇとねだりました。

夜中だったけど、おもちゃを出してやると目を輝かせて遊びました。

リンちゃんは別の部屋にいたので邪魔もされず、思う存分遊びました。

そして、ロス子ちゃんに「明日汽車ポッポに乗って本当のお家に行くのよ。」

と何度も言い聞かせました。

朝、私の顔を見たらニャンニャン鳴いて出てきました。そして、すりすり

して甘えました。カニカマを出して、キャリーに入れ、頭を突っ込んだところを

押し込みました。すんなり入ってくれました。でも、さすがにキャリーを引っ掻き

出せ出せと暴れます。万一のことを考え、ガムテープで止めた上から風呂敷で

縛り、さらに紐をかけました。しばらく鳴いていましたが、やがて静かになりました。

いつものカリカリ、食器、おもちゃ、健康診断書、トイレの砂そして縁起物の

鰹節を持って、駅に向いました。ロス子ちゃんはまったく鳴かずおとなしくして

いました。

里親さんは駅まで迎えに来てくださっていました。家に着いて、用意してあった

部屋に直接行き、そこでケージに入れようということで、キャリーの戸を開け

ました。ロス子ちゃんはしばらく固まって出てきませんでした。里親さんが覗き

込んで、中の毛布ごとそっと出そうとした途端に、ロス子ちゃんはものすごい

勢いで飛び出し、部屋中を駆け回りました。里親さんは「しまったなぁ」と

おっしゃいましたが、ロス子ちゃんはプリンターの後ろにこもって出てきません。

心配だったので、一緒にずっと話し掛けながら様子を見ていました。

里親さんが笹かまぼこをやりましたが、すぐには食べません。1時間ぐらいする

と少し落ち着いたようなので、身動きせずに様子を見ていたら、かまぼこを

少し食べました。やっと安心しました。私のところに来た時と違って、里親さんが

覗き込んでも、手を差し出しても威嚇しませんでした。ただ、固まっている

だけでした。里親さんは何度も何度もやさしく話し掛け、その都度かまぼこを

小さくちぎってロス子ちゃんに与えています。今夜一晩過ごせば、

大分落ち着いてきて、余裕もできるだろうということで、後はお任せすることに

しました。せっかく、私のところで馴れてきたのに、また違うところに行って

びっくりしたね。ロス子ちゃん。でも、そこがあなたのお家になるところだからね。

何度も言い聞かせて後ろ髪を引かれる思いで帰路につきました。来る時はあんなにたくさん荷物があったのに、

帰りはバッグと里親さんからいただいたお土産だけ。心にぽっかりと穴があいて、力がぬけてしまいました。

家に帰ると、猫たちがお迎えに出てきましたが、私が何も持っていないので不思議そうな顔をしています。

リンちゃんは、ロス子ちゃんがいないのが不思議でたまらず、探し回っています。探すくらいなら、仲良くすれば

よかったのに。そう言ってリンちゃんを抱っこしたら、ミ〜〜と鳴きました。明日はもっと寂しくなるだろうなぁ。

ロス子ちゃん、どうやら名前はそのままになりそうです。


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