一生懸命おねだりをします。でも、おかあちゃんはネネちゃんにお薬を飲ませていなかったことを思い出し、

テーブルの下に逃げ込んだネネちゃんを捕まえ、口の周りに塗りつけます。ネネちゃんは顔をしかめながらも

口の周りが気持ち悪いので一生懸命なめます。ああ、まずい！おかあちゃんは、薬をお利巧に飲んだらご褒美を

あげたほうがいいのではないかと思い、煮干をだしやりました。ヒミコちゃんはネネちゃんにお薬を飲ませて

いる間も一生懸命ごろごろしてアピールしていましたが、ネネちゃんが煮干を貰ったのを見て、

「ん、ん、んん！」となりました。すねないうちにと煮干をヒミコちゃんの口元に置いてやると、急に顔を

そむけ、フンッとむくれてしまいました。あ、ヒミコちゃんは歯がないから煮干は食べにくかったんだ！

もちろんその間にリンちゃんもやってきておねだりをし、貰った煮干を大喜びで食べているので、ヒミコちゃん

ますます面白くありません。「鰹節だよ鰹節！じゃなければカニカマを出しなさいよ。」とこれ見よがしに

冷蔵庫の方を向いて座り、ちらちらとこちらの様子をうかがいます。それを見て、リンちゃんはもっといいもの

が出てくるのではないかとヒミコちゃんのうしろにぴったりついていくことにしました。結局最後は

おかあちゃんが根負けして、冷蔵庫からカニカマを出してやったのですが、こうするとますますおねだりが

激しくなるんだろうなぁ。こんなやりとりがあっている間、少し離れたところからみんなの様子をじっと見て

いたのはトラちゃんでした。ヒミコちゃんたちとなるべく目を合わせないようにしています。本当は自分も

煮干やカニカマなどいいものが欲しいんだけど、なぜか遠慮しちゃうのでした。かわいそうだから、鰹節を

出してあげたら、全部食べないうちにリンちゃんに押しのけられ､横取りされてしまいました。