2002年12月5日
ウーメラの町を朝早く出発し、アデレードに戻ります。再びあの変化のない真平らな砂漠を通り、海岸に近づくと次第に

木が見え出し、やがて広々とした放牧地が続く農業地帯に出てきます。あちこちにヒツジが見えました。今日はフリンダー

レインジという山手の道を通り、ワインで有名なバロッサバリーを経由して行くのです。あたりの景色は規模を大きくした

阿蘇のような感じで、あの一物もない砂漠から出てくるとなぜかほっとした気分になります。でも、あいにくの雨模様。

雨脚は次第に強くなり、途中で休憩したガソリンスタンドに着く頃にはとうとう本降りになりました。

ガソリンスタンドでぶらぶらしていたら、駐車してある車の中に可愛いワンちゃんがいて、さかんに外をキョロキョロ眺めて

いました。飼い主を探しているのかしら。

フリンダーレインジを越えて海側の道に出ると、ワインの畑が目に付き始めます。意外に丈は低くて、日本のぶどう棚

とはちょっと趣が違います。目的地のクレアバリーの町に着くまでに、いくつかワインや小麦の畑が連なる中に小さな

集落が点在していました。1800年代中ごろから宗教や政治上の理由でこちらに移民して来た人たちがそれぞれ

作った町です。ドイツ人、フランス人、ポーランド人などの町です。それぞれワインの醸造所を持っています。

クレアバリーはポーランド人が作った町です。支配人の人が簡単な歴史を話してくれましたが、やはり生活の基盤が

できるまでには筆舌に尽くしがたい苦労があったようです。

ワインの醸造所はとても興味深いものでしたが、残念ながら1滴も飲めない私には猫に小判です。

そう思っていたら、ワインのたるの下から猫の鳴き声が。呼んでみると、大きな丸々太ったチャトラの猫が出てきました。

ワイナリーのペットなんだそうです。なんだか、トラちゃんを思い出して、どうしてるかなぁと思いました。

雨はますますひどくなり、とうとう土砂降りに。今日は最終便でシドニーまで戻らねばなりません。雨なんか降らないだろうと

たかをくくっていたので、雨具など用意しておらず、ちょっと憂鬱になりました。ところがアデレードに着いたら雨なんか

全然振っていないのです。ちょっとホッとしましたが、慌しく参加者の皆さんに挨拶をして、空港に向かいました。

シドニーに着いたのは夜中の11時半でした。やっとホテルについてさあ、シャワーでもと思っていたら、電話がなりました。

何だろうと思ったらフロントからです。どうやらおじいちゃんがフロントに行って部屋が開かないと文句を言っているらしい

のです。慌てて下に降りたら、おじいちゃんの部屋の鍵(カード式)をいくら差し込んでも戸が開かないのだそうです。

これはどういうことなのかと聞いたら、なんとおじいちゃんは昨日チェックアウトしたことになっており、おじいちゃんの部屋

には別の人がもう泊まっているとのこと。帰って来たらおじいちゃんの部屋がなくなっていたのです。

さっそく、部屋は7日の朝までキープしてあること、すでに料金は払っていること、部屋をキープしておいてアデレードに

出かけたのでいないはずの人間がチェックアウトできるはずがないことなどをまくしたてました。最初こちらには間違いは

ないと言い張っていたフロントですが、予約簿を確認するように言うと、それを見たフロントの顔色が変りました。

部屋に荷物がないのでてっきり帰ってこないと思って勝手にチェックアウトしたことにしたらしいのです。

それから大慌てで部屋を探すのですが、ちょうど日食が終って一度に大勢の人が押し掛けているため、なかなか空き

部屋が見つかりません。小1時間もかかってようやく部屋の手配ができましたが、おじいちゃんの部屋は最初のものより

数段上等の部屋になっていました。不幸中の幸いです。

あの時部屋がなかったらどうなっていたかしら。。。ようやく全部片付いて床についた時はもう2時近くになっていました。

明日は寝坊するぞ!


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