懐かしいロス子ちゃんの写真です。脱走して2週間ぶりに保護し、我が家に戻って来た時、大分顔つき
が和らいでいました。この時はまだ一定の距離以内に近づくとうなって威嚇していました。でも、この後
どんどん態度が軟化してきて、里親さんの家にお届けするころには完全にスリゴロにゃんこに変身して
いたのです。このことから、筋金入りの野良猫で、どれほど激しい威嚇をする子であっても、やっぱり
本心は愛情を求めているのだと思いました。人馴れしていない猫に接したのは、ロス子ちゃんが初めて
でしたが、うなり声を上げるロス子ちゃんの表情の奥に、本当は甘えたい気持ちを感じて、どうしたら
気持ちが通じるのかなぁと毎日一生懸命考えていました。威嚇する子は怖いから、何をされるかわから
ないからそうするんだと思います。だから、安心感を与えてやることが大事だと思いました。ロス子ちゃん
の場合、まったく知らない土地で2週間もの間怖い思い、心細い思いをして、やっとお腹いっぱいご飯
も貰えて、安心して眠れる場所に来たので、ようやく気持ちに余裕ができたのではないでしょうか。
それと、この時1匹だけ隔離して、じっくり向き合うようにしたのもよかったのかもしれません。
ロス子ちゃんが心を開き始めた時、ちょろちょろっと近寄ってきて、コツンと頭突きをしては離れると
いうことを繰り返していました。それからだんだん側にいる時間が長くなり、目の前でごろんとひっくり
返って、なでてくれというようになりました。もちろん、こうなるまでに、Kennyさんのところで人間って
悪い人ばっかりではないということをちゃんと覚えていたからだと思います。私のことを受け入れて
くれた時、初めてKennyさん以外にも大丈夫な人間がいるとわかってくれたのではないでしょうか。
猫と付き合って、相手に合わせてやること、待つことの大事さを知りました。どうしても、相手が自分の
思い通りに懐いてくれなかったり、困ったことばかりする時、「だから、だめなんだ」などと考えず、
どうしたらわかってくれるかな?と一歩下がって考えると何かが見えてきます。動物はこちらの気持ち
をまるでテレパシーのように感じ取ります。だから、ごまかしは効きません。どんな子にでも、本当の
愛情があれば、必ず通じるものだし、気持ちが通じればみんないい子なんです。本当にそう思います。
そして、何よりも愛すれば愛するほど、何倍にもなって返ってくる。その幸せを猫を飼って、知ることが
できたました。今、ロス子ちゃんはミューちゃんになって、もう誰に遠慮することもなく、思い切り甘え、
幸せな猫生を送っています。犬も猫もみんな愛されるために生まれてきたのです。邪魔になったから
言うこと聞かないから、困ったことばかりするからなどと言って、捨てたりしてはいけません。
たいていの場合、自分のことよりも猫ちゃんがどうしたら幸せになってくれるかということを考えれば、
ほとんどのことは解決できるのではないかと思います。
みゆきさんのところで、トラちゃんたちがたちまち安心したお顔になれたのも、みゆきさんが本当の
愛情をもって、お世話してくださっているからだと思います。愛することも愛されることも、それを分かち
合える仲間もみんな私の大事な宝物です。これも猫を飼ったおかげですね。
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