ロス子ちゃんは家の様子にも大分慣れてきて、毎晩とことこと
私の部屋まで遠征してくるようになりました。ロス子ちゃんの
鈴の音が聞こえると、入り口でリンちゃんが身構えます。
「どうもあいつは気に食わない。私よりたくさん甘えて、ご飯も
たくさん貰っているくせに、こっちのご飯まで全部食べちゃうん
だから。こっちに来たら一発かましてやるわ。」
ロス子ちゃんの方から反撃してこないことをいいことに、リン
ちゃんはやりたい放題です。とにかく、あのぺちぺち攻撃だけは
何とかしなくてはなりません。おばあちゃんも、
「あんなにぺんぺん叩いて回る猫は初めてよ。トラちゃんも
ネネちゃんもやられよる。こっちば里子に出しんしゃい。」などと
言い出す始末。でも、その様子はちゃんとヒミコちゃんが見て
いるのです。リンちゃんとロス子ちゃんの追いかけっこが
始まって、それがトラちゃんやネネちゃんに飛び火して大騒ぎに
なっても、じっとベッドの中からあたりの様子をうかがっています。
そして、ここ一番!という時に出て来てくれるのでありがたい。
やっぱり伊達に年はとっていません。
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